また、この建物は中央部分から工事が行なわれたらしく、ここのデザインの精度が最も良い。地形の影響もあるが、両端部に近ずくにしたがい変型した部分が多く、デザインや施工の精度も落ちている。各部分ごとに施工時に現場で工夫しながら納めていったように見受けられた。 意表を突くのは建物の南端に組み込まれたバスである。バスは三宅老人の居住スペースとなっている。この建物では唯一セルフビルドではない空間である。バスを一つのユニットと考え、快適な居住環境をそっくりそのまま手に入れている。自由で合理的な精神がここにも貫かれている。